yukiの打ハハ日記

浜松市在住 打楽器奏者 パーカッションアーティスト@中村友紀のブログ

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20160519090529 打楽器はじめの12ヶ月

こんな詩がありました。

「峠」  真壁 仁

峠は決定をしいることころだ。

峠には訣別のためのあかるい憂愁がながれている。

峠路をのぼりつめたものは

のしかかってくる天(てん)碧(へき)に身をさらし

やがてそれを背にする。

風景はそこで綴じあっているが

ひとつをうしなうことなしに

別個の風景にはいってゆけない。

大きな喪失にたえてのみ

あたらしい世界がひらける。

峠にたつとき

すぎ来しみちはなつかしく

ひらけくるみちはたのしい。

みちはこたえない。

みちはかぎりなくさそうばかりだ。

峠のうえの空はあこがれのようにあまい。

たとえ行手(ゆくて)がきまっていても

ひとはそこで

ひとつの世界にわかれねばならぬ。

そのおもいをうずめるため

たびびとはゆっくり小便をしたり

摘みくさをしたり

たばこをくゆらしたりして

見えるかぎりの風景を眼におさめる。