yukiの打ハハ日記

浜松市在住 打楽器奏者 パーカッションアーティスト@中村友紀のブログ

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20160519090529 打楽器はじめの12ヶ月

保科先生の復興について

夏のコンクールの練習に入っている学校が増えてきました。

保科先生の作品は、どのパートも楽器の特性を生かして、しかも生き生きと演奏できるように書かれている、名曲が多いです。シティ派でクールでカッコいい、だけど熱いものが沸々とわいてくる、保科先生そのものという感じがします。
さて、「復興」について。先日この曲を演奏する生徒から問い合わせがありました。

S.Cymb.とありますが、音源を聴くとHi-hat .cymb.で演奏している団体がほとんどのようです。指定通りのサスペンデッドシンバルで演奏したら、合奏の先生から「違う!」と言われました。どの楽器で演奏したら良いのでしょうか?

 

この曲は私がフィルハーモニックウインズ浜松に所属していた時にも、保科先生の指揮で演奏しました。ご本人にこの件は質問をしていませんが、最初は楽譜通りS.Cymbで演奏しました。登場する箇所がシビアな刻みがあるので、そのままだと響きすぎるのかなぁ〜と、布でミュートをかけてみました。なんだか緊張感がないような感じがその時にしました。結局ハイハットシンバルで演奏して、その時は落ち着きましたが、でもこれ、きっと何がいいか、保科先生自身もあまり決めつけずに、演奏家に委ねているのではないか?と考えました。ハイハットで演奏すると緊張感は生まれますがシビアすぎる、もっと横に流れるメロディの中でこの刻みが主張せずに存在して欲しかったのかなぁ〜とか、思いを巡らせます。

 

結局、先ほども言いました通り、ご本人にはしつもんしなかったか、もしくは、質問しても煮えないお返事、だったように思います。

これじゃなきゃダメ!なら、保科先生のことですからキッチリ楽器の指定があるはず。そうじゃないというところがミソだなと。

 

S.Cymbで演奏した刻みは、スネアに受け継がれます。スネアで演奏するとシビアさが少しなくなるんです、不思議なことに。それでもって、このサスペンデッドシンバルのそれは、フレーズというものが存在します。ここが重心のかかるリズム、ここは抜きのリズム、、、それも保科マジックというか、だいたい大きなフレーズで流れているところで刻みが用いられるのも、保科先生の特徴ではないかと。

 

演奏家の発想に委ねられるメッセージと取るか、実は初版はこう書いたけど後からこれだと思うものを発見したのが口伝で分かり、それを知っている人だけが正解を知っていると取るか・・・。でも後者だとしたら、私はつまらないと思います。その作曲家と繋がっていいない人は、演奏する資格がないのだって言われている気がする、そんなのどうかね・・・。