yukiの打ハハ日記

浜松市在住 打楽器奏者 パーカッションアーティスト@中村友紀のブログ

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20160519090529 打楽器はじめの12ヶ月

浜松市立高校、田中健太の「持ってる男」

先日お江戸へ向かった件は

彼のお受験のお付き添いの為でした。

国立音楽大学。立川市にある名門大学です。

 

特別給費生試験

つまり学費を免除される為の試験

 

全額、半額、1/4.と

三種類ある中の、彼は半額!

 

セールじゃないけど、

なんと、半額で!!

奥さん、ぜひお買い求めを!!!

 

そのセールは品が劣化したから

だけど

こちらは逆だぞぃ。

 

 

学年のトップ10が許された

栄誉ある称号。

 

持ってる男、

これまでたくさんの運を

引き寄せた生徒なのだが

今回はジョリベの巻

 

まずこの試験を受けるまでの

準備が困難を極めるのです。 

 

ジョリベという作曲家の

打楽器協奏曲

オーケストラで使用するほぼ全部の楽器を

網羅した4楽章構成の曲なのだからね

トータル20分もかかるのを

全部暗譜せねばならない。

 

大学生の卒業演奏で行うクラスの曲を

高校生に演奏されるわけだから

大学側に受からせたいという意思は

全く感じない^_^

塩対応も甚だしい試験なのです。

 

彼に振ってみたのは6月の中旬を過ぎたあたり。

 

「ものは試しで、受けてみる?」

 

挑戦することを厭わない彼は

 

少し考えてから

「はい!受けてみます!

 やるだけやってみます!」

と、いつものチョー気持ちいい返事が来た。

 

やると決めたらやり抜くのが、彼。

 

ラッキーなことに

ジョリベを全セット置きながら練習できる

お部屋をあてがわれた。

楽器の出し入れが不要。

入室したら直ちに練習できるのは

打楽器奏者ならヨダレものなのよ。

 

持ってる男

 

 

 

 

夏の吹奏楽コンクールでも

輝きを放ちまくっていた。

彼の演奏には後光が差し

全く眩しすぎる県大会での演奏であった。

 

部としては県大会で終わっちまった。

 

しかし、彼の受験のことを考えると

指導する私としては、ど正直

ホッとしまくるのでした。

 

朝も早よから

晩のおっそーくまで

彼は学校の主の如く、

あてがわれた音楽室に篭った。

 

吹奏楽部員が忘れ物をした際も

前なら、顧問の小言の一つや二つを覚悟して

甘んじて受け入れ、昇降口を開けてもらい

忘れた自分を責めながら

3歩歩くと忘れていたであろうが、

 

彼が練習してくれているおかげで

その意味のあるようでない覚悟を

しなくても良くなった^_^

忘れ物をしても落ち込む心配もないのだから

正々堂々と忘れ物をする人が

増えたとか増えないとか…

 

 

譜読みして1ヶ月したところで

東京🗼へ赴き、大先生を訪ねました。

世田谷にオーケストラ打楽器

フルセットを揃える巨匠…。

 

そこへ初台でリハを終えた

ベカオが合流してくれました。

 

ジョリベを日本初演した方と

ジョリベで日本一を獲った人が

ここへ集結するという

気絶して倒れるほどの幸運に恵まれました。

 

持ってる男はこういう縁も繋ぐ。

 

4hノンストップのレッスンでした。

 

探究心のある

好奇心が冷めやらない彼は

巨匠の前でも物おじせず

技術が足りてない自分を

仕方なく受け入れ

しかし、必要以上に不貞腐れることもなく

反省つきない様子でした。

 

その時だって

給費生ってのは、よほどじゃなきゃ

受からないから

宝くじだと思って❣️と

それよりも基礎をやったら?

というのがビックなお二方の意見。

 

それもそーだ。

彼は基礎力があまりないのだから。

 

それは本人が誰よりも

一番よくわかっていたこと。

今年の初めの頃

自分より基礎力のある生徒をみては

 

俺はどうせ…

と、落ち込みまくっていた。

 

ひょんなことでジュニア管打コンの

チャンピオンになった彼は

自分の実績に押しつぶされていたんだから。


www.youtube.com

↑この年度の最終演奏。

2022年、4月。浜松市立高校定期演奏会 アクトシティ大ホールにて

 

ソロもやります!

マリンバも弾きます!

僕のやりたいことを

この2年のうちに全部やり散らかして

受験勉強へシフトしたい!

↑アンサンブルコンテスト東海大会でのショット。

浜松市立高校打楽器の演奏直後のもの。

同じく東海へ出場した市立のフルート4重奏と

浜名高校の金管8重奏のメンバー

そしてサポートとして同行してくれた市立高の生徒が

楽器運びを手伝ってくれた。

みんなの表情がすごくいい。

この年のべストショット、私のお気に入り。

 

 

詰め込むだけ詰め込んだ冬

ソロコンを前に彼は

自分の頼りない足元を

しっかり見てしまっていた…

心の中で、何度咽び泣いたことだろーよ。

 

年度最後のコンテストで

また!結果が出ちまったよぉー

 

いやぁすごいねー!

なんなの!この子はーーー

 

持ってる男は、運も味方するんだね〜

 

前の年に続いて、今年もなのかー

彼の魅力はナンジャラホイ…

 

私は自分の指導方法について

今度は自分の足元を見直すこととなる…。

私の正しさ、目指す方向って

なんぞや?

私の意図しない結果が出ちまう…。

ほんとにこれでいいのやら?

 

基礎を固めて、

地道にコツコツ積むことと

煌びやかに演奏することは

比例しないのかぃな???

 

むろん、基礎が身に付いていないこともない。

カタツムリのようにゆっくりと

前には進んでいる。

 

後で話を聞くと

やはりコツコツ練習をするのが

もどかしかったようで

しかし、避けては通らない道と

覚悟を決めて、夏の個人練習に励んだという。

 

夏のコンクールのレトロでは

一皮剥けて洗練された技術がものを言った。

彼のおかげで金賞🥇まで漕ぎ着けたと言っても

過言ではないだろうねー

三年生の活躍が光りまくる

素敵なコンクールは

浜松市立高校として久々のことであったよー。

 

 

とにかく、やりたがり。

目立ちたがり。

面白そうなことなら、なんでもやってみる

が、彼の信条。

 

私たち夫婦は

彼のバイタリティを面白がった。

 

ある日はレインスティックを自作してきた。

これは試作なのですが…

と、それを持ってくる。

↑一年生の時の冬

まだ初々しい。

 

備品も作ってみる。

スタンドがどうとかいうと

次の時にはそれがある。

 

ちょっと作ってみましたー

 

そうしてみれば?

と私が少し発した言葉は

次に会う時には形になる。

 

それは演奏もほぼそう。

 

器用な方ではない。

むしろ不器用なので

得意なことと苦手なことがはっきりしている。

鍵盤打楽器は、ソロをがんばりはしたが

苦手としている。

 

それは、先日の指定校試験の実技の際

試験官のペンが

太鼓になった瞬間に止まり

消しゴムで文字を消す人が何人かいた

ことで、証明されている。

 

音楽家として出来がいいか?

と言われると、そうではない。

悪いがハッキリとそう言わせてもらう。

 

彼は熱意がとにかく半端ない。

彼を教える者は、

まずその探究心にビックリし

楽しくなってしまう。

気がつけば、彼の質問に対して色々調べ、

それを彼に伝えたりする。

 

そうやってお互い楽しい打楽器時間を

過ごすように持ってかれる。

 

音楽家として為す手段はいくらもあろうが、

彼が今後

どのような演奏家になるのか

楽しみだと思ってしまうのです。

 

 

私からは、

 

「来る仕事は、選り好みしないこと。

   また仕事が来たら、適応してると思え。

   さらに発展したら、天職だと思えばいい。

   初めから何が自分に合ってるかなんか

   わかりっこないんだから。」

 

と伝えた。

これはなんの職でも同じことが言えましょう。

 

夏休みに入ったあたりから

 

音大に入ったら

あーいうこともしたい

こーいうこともしたい

夏のオープンキャンパスでこんなことがあった

 

と、気分はすっかり大学生であった。

 

受かってもないうちからそれか?

と、私も水を差すのはやめた。

 

夢に膨らむことは悪いことではない。

頭がお花畑だからこそ

彼は合格できたのかもしれないのだから。

 

彼を育ててくれたご両親の献身的な愛情も

子育てをしている私の心にも

深く突き刺さった。

親のあるべき姿だなと。

彼のやることを全力で応援する

それを楽しむ姿勢は感服せざるを得ない。

 

吹奏楽部の荷物運びについて

随分ご両親に尽力していただいたが

 

その承諾を彼に取ると

親に聞く前に

大丈夫です!うちがやります!

と即答する。

 

俺のやることは親がやってくれるという

絶大なる信用が

その言動によって見える…

 

私にそれが娘に対して出来ましょうか…

 

 

彼とは私は同じ職になるようなので

一生の付き合いが始まることになりました。

 

今後の彼の活躍を

心から祈るのでした。

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